PROJECT STORY 01 B.B.ON
2016年、日本橋にオープンした「B.B.ON」。
ビューティー・調剤・ヘルスを融合した、
これまでにない新しいスタイルの都市型店舗は
地域のプラットフォームとして挑戦し続けます。
お店がオープンするまでのプロジェクトについて、
そしてオープン後にこの場所に構えている意義を、
当時のプロジェクトリーダーであった
ラグジュアリー推進部の小川部長に
当時の状況を聞いてみました。
PROFILE
ラグジュアリー推進部 部長/薬剤師
薬剤師として、静岡県の店舗に入社。医薬品のバイヤーや店長などを経験する。新業態であるB.B.ONの立ち上げでは、プロジェクトリーダーとして、静岡の自宅と東京を行き来しながらプロジェクトを推進させる。現在は、ラグジュアリー推進部 部長としてラグジュアリー化粧品専門店「NARCIS」の運営とフランスのナチュラルコスメ「イヴ・ロシェ」の育成に全般に携わる。
とにかく商品が好きで、お店と、商品のことを常にお客さま目線で考えている。池野会長の薫陶を受け、挑戦する姿勢、とにかく迅速に行動することが信条。
プロジェクト発足時の
進め方を教えてください。
まず、日本橋の中心にお店を開くという話があり、「日本橋にふさわしいのは、どんなお店なのか」「ウエルシアとして何ができるのか」というところから検討が始まりました。そこで決まったのが、働く女性にフォーカスを当てることです。これまでのウエルシアのストアコンセプトとは、まったく異なるので、いろいろな部署の女性を集めてプロジェクトチームを発足させました。
初めに行ったのは、近隣のお客さまへのアンケートです。日本橋界隈でどのようなお店、商品、サービスが求められているのか、そして何が不足しているのかを徹底的に調査しました。その結果、化粧品に関しては"オーガニック、ナチュラル系の商品が足りない"、そして働く女性は"ブームにこだわる傾向がある"といった傾向を知ることができ、通常の店舗にない商品を探して、徐々にマーチャンダイジングのイメージとストアコンセプトを形にしていきました。
プロジェクトにおける苦労ややりがいは
どんなことですか。
一番は、お店をオープンさせるまでの期間が短かったことですね。あとは、男性のお客さまの割合が予想以上に多かったことから、今までにない商品を探して仕入れ交渉をしました。大変なことや苦労はたくさんありましたが、お店ゼロから立ち上げるおもしろさややりがいがあり、とても楽しかったです。
ドラッグストアのオープン時は、チラシなどで価格の安さを前面にアピールして集客することが多いですが、B.B.ONは違いました。というのも、B.B.ONはオフィス街で働く人を物販とサービスの両面で応援する店舗であることから、商品の安さよりも品揃えや雰囲気などでお店を好きになってもらい、徐々に固定客が増加していくことを想定していたからです。そのような方針もあったため、当初は「この店、大丈夫なの?」と周囲から心配されることもありました。しかし、会長が店舗に頻繁にいらっしゃって、スタッフに声をかけていただいたんです。会長や会社がこのプロジェクトを応援してくれたことを実感でき、それが大きな励みとなり、スタッフ一丸となって取り組んだ結果、成功を収めることができたように思います。
また、日本橋という歴史や伝統の趣が残っていながらビジネス街として高層ビルが立ち並ぶような特殊な立地であることや、B.B.ONがこれまでにないイメージのお店だったことから、メディアに取り上げていただくことも多かったです。それが集客の追い風にもなり、スタッフのモチベーションを高く保てたと思います。
プロジェクトの成果は
どのようなところにあるでしょうか?
B.B.ONでこれまでにない商品を取り扱い始めたことから、既存のウエルシアにも新しいカテゴリーや商品の導入へ繋げることができました。その結果、MD(マーチャンダイジング)に幅ができ、品揃えが増えて、お客さまの満足度も向上していったように思います。また、これまで1,000人以上の学生が見学に来られたように、ウエルシアの中でもフラッグシップ的な店舗として位置付けられているんですよね。従来のドラッグストアを希望している学生だけでなく、美容に興味がある方々など、応募していただく学生の層も広がったことで、人財の多様性が増したことも大きな成果となっています。
プロジェクトを通じて、
良かったと思うことは何ですか?
メディアに取り上げていただけたこともあり、B.B.ONという店舗への期待や注目度が高まり、スタッフの意識が一層向上しました。人財の育成という観点でも良い影響を与えていますね。B.B.ONでの経験を活かしてステップアップを果たし、海外店舗で働くスタッフが出てきたことも、とても嬉しい結果ですね。あとは、B.B.ONのある日本橋二丁目の町内会は「繋がり」を大事にしていて、ここでのコミュニティが、新たなビジネスチャンスに広がっています。日本橋の高層ビルが並ぶこの地域はビジネスライクな世界にも思えていましたが、人と人との温かい繋がりがあって嬉しく思います。
会社や経営陣はどのように
サポートしてくれましたか。
先ほど申し上げたように、会長だけでなく社長や専務たちも頻繁に店舗に訪れて、お声がけいただくなど応援してくれましたね。もちろん、初めてのチャレンジばかりで、いろいろなプレッシャーがありましたし、悩みや苦労も多くありました。そんな時、専務に言われた「苦しい時こそ、ニコニコしなさい」という言葉が印象に残っています。あとは、池野会長の「とにかくやってみよう。ダメだったらやり方を変えていけばいい」というようなチャレンジ精神のほか、経営陣のバックアップやサポート体制に何度も励まされました。
今後のB.B.ONの展開については
どのように考えていますか?
B.B.ONは、ウエルシアの中でも尖った立ち位置にあり、化粧品販売をリードしていく店舗としての価値を高めていくためには、商品をどんどん新しくしていかなければならないと思っています。あとは、スタッフを育てる場であることも重要ですね。毎週1回、取り扱う商品について勉強会を行っていて、商品知識やサービスを広く深くしていくことに力をいれています。今では、このお店からステップアップして海外の店舗で勤務する人や、化粧品の地区長、さらにはNARCISというブランドの地区長になる人財も出てきています。