PROJECT INTERVIEW

だめなら変えればいい。とにかくやってみる。
毎日の買い物がワクワクするお店をつくること。

2016年、日本橋にオープンした「B.B.ON」。ビューティー・調剤・ヘルスを融合した、これまでにない新しいスタイルの都市型店舗は日本橋に誕生してから3年が経つ。
お店がオープンするまでのプロジェクトについて、そしてオープン後にこの場所に構えている意義を、当時プロジェクトリーダーであった化粧品商品部の小川部長に当時の状況を聞いてみた。

  • 小川 美恵

    ウエルシア薬局商品本部 化粧品商品部 部長/薬剤師

    キャリア
    薬剤師として、静岡県の店舗に入社。医薬品のバイヤーや店長などを経験する。新業態であるB.B.ONの立ち上げでは、プロジェクトリーダーとして、静岡の自宅と東京を行き来しながらプロジェクトを推進させる。現在は、ウエルシア薬局商品本部 化粧品商品部 部長として経営化粧品のMD(マーチャンダイジング)全般に携わる。
    とにかく商品が好きで、お店と、商品のことを常にお客さま目線で考えている。池野会長の薫陶を受け、挑戦する姿勢、とにかく迅速に行動することが信条。

  • プロジェクト開始時の進め方について教えてください。

    まず、日本橋のど真ん中でお店を開けるという話がありました。では、この日本橋にふさわしいお店というのは、どんなお店なのか、ウエルシアとして何ができるのか、というところから始まりました。働く女性にフォーカスしたお店というのは、これまでのウエルシアのストアコンセプトとは、全く異なるので、いろんな部署の女性を集めてプロジェクトチームを発足させました。
    まず、初めにやったことは、近隣のお客さまにアンケートをとることでした。日本橋界隈でどういったお店、商品、サービスが求められているのか、何が不足しているのかを徹底的に調査しました。化粧品に関しては、オーガニック、ナチュラル系の商品が足りない。働く女性はブームにこだわる傾向があるなど、様々な意見や傾向を知ることができたので、通常の店舗にない商品を探して、徐々にマーチャンダイジングのイメージとストアコンセプトを形にしていきました。
    元々の計画したお店のコンセプトは「働く女性を応援する」だったのですが、オープンしてみると来店客の約35%が男性客でした。そこで新たに、働く男性のための美容商品を揃えて、これまでドラッグストアが取り扱っていない商品を仕入れていきました。

  • プロジェクトで大変なことは、どんなことでしたか?

    一番は、お店をオープンさせるまでの時間が短かったことですね。あとは、男性のお客様の割合が予想に反して多かったことから、品揃えも今までになかった商品をいろいろ探して仕入れ交渉をしました。いっぱい断られましたけどね(笑)。大変でしたけど、とても楽しかったですよ。ゼロから始める楽しさがあって。他のドラッグストアがオープンする時は、チラシで価格のやすさを前面にアピールして大々的に宣伝して集客するけど、オフィス街立地で働く女性を物販とサービスの両面で応援するB.B.ONのようなお店は、徐々に固定客が増加していくことを想像していました。だから、最初はこの店大丈夫なのって周囲からは心配されましたね。ただ、そんなときも会長が店舗に頻繁にいらっしゃって、スタッフに声をかけて頂き、このプロジェクトを応援してくれることが、とても助けになりました。
    また、日本橋近辺という伝統的な地域立地でありながらも高層ビルが立ち並ぶという周辺の立地やこれまでにないイメージのお店だったことから、メディアに取り上げられることが多かったです。それが集客の追い風にもなり、スタッフのモチベーションを高く保てたんだと思います。

  • プロジェクトの最大の成果はなんでしょう?

    B.B.ONには、これまでにウエルシアになかった様々なカテゴリーや商品を取り扱うことで、既存ウエルシア店舗にも新しいカテゴリーや商品導入へつなげることができたことです。そうしたことでMD(マーチャンダイジング)に幅ができ、品揃えが増えたと思います。また、新卒採用の方々やインターンの方々が見学にきたりするので、ウエルシアの中でもフラッグシップ的な店舗として位置づけられています。 従来のドラッグストアを希望している学生の方だけではなく、美容に興味がある方々の応募など応募して頂く方の層も広がりました。これまで学生の方々が1,000人以上見学にこられました。

  • プロジェクトを通じて、良かったと思うこと

    お店が注目されることでメディアなどに取り上げられることもそうですが、お店のスタッフも注目されることで意識が高まり、人財の育成という観点でも良い影響を与えていることです。B.BONを経験しステップアップして、海外店舗で働くスタッフも出てきたことは、とても嬉しい結果ですね。あとは、ここ日本橋二丁目の町内会というのは、すごく繋がりということを大事にしていて、そこでのコミュニティが、新しいビジネスチャンスに広がっています。 日本橋の高層オフィスビルが並ぶこの地域は、ビジネスライクな世界に見えますが、そういう人と人との温かい繋がりは、とても嬉しく思います。

  • プロジェクトで経営陣はどのようなサポート体制でしたか。

    会長や社長、専務がしばしば直接店舗にいらして、声がけして応援して頂きました。もちろん、はじめてのチャレンジばかりで、色々なプレッシャーもありましたし、少し悩んだりしたときもありました。そういう時、専務によく言われたのですが、「苦しい時こそ、ニコニコしなさい」という言葉に励まされました。あとは、池野会長のチャレンジ精神というか「とにかくやってみようよ。ダメだったらやり方を変えていけばいい」。そういう、経営陣のバックアップをしてもらえるあたたかい言葉に励まされました。

  • 今後のB.B.ONの展開についてどうお考えですか?

    B.B.ONは、ウエルシアの中でも尖った立ち位置なので、価値を上げていくためには、商品をどんどん変えていかなければならないと思っています。ウエルシアの化粧品を引っ張っていかなければならないなと。あとは、スタッフを育て上げる場であるということです。毎週1回、取り扱う商品について勉強会をおこなっていて、商品知識やサービスを広く深めることに力をいれています。今では、このお店からステップアップして海外への店舗勤務や、化粧品の地区長、ナルシスの地区長になる人財もでています。

  • 小川さんの働き方について教えてください

    私自身、単身赴任で月曜日から金曜日まで東京にいて、土曜日と日曜日に静岡へ帰るのですが、今、子育ても終わってこのタイミングで単身赴任させてもらい、仕事にフォーカスして働ける期間でもあります。
    女性だけど、こういう働き方というのができれば、若い人たちの参考になれたらいいのかなと思います。
    女性の子育てが終わったとき、仕事にフォーカスしたい働き方の一つとしてみてもらえれば良いかと思います。

  • 今後のドラッグストアの業界は、どのようになって行くと思いますか?

    今は、何でもネットで買うことはできます。では、実店舗の存在意義とは何か。大きくは、2つあると思っています。ひとつは、商品を選ぶ時のワクワク感です。持って触ってパッケージの匂いを感じて。五感を刺激してくれること。ふたつめは、ネイルサロンやエステなど美容の専門家と対面して商品を試すことができること。そういったネットでは決して体感できないサービスを提供することで、実店舗の競争優位性が構築できると考えています。

  • SDGsに関する商品については意識した商品はありますか?

    B.B.ONは、近隣にマンダリン・オリエンタル東京さんのような日本を代表するようなホテルがあり、そちらに宿泊の外国人観光客、ビジネスパーソンが多数来店されます。
    やはり、そういった欧米系の方々は環境問題に対しても、非常に敏感ですので、オーガニック系の商品は環境面ですごく注目されます。
    紙のストローなんかは世間でも知られてきていますが、B.B.ONでは、歯ブラシも木の素材のものも品揃えしています。
    これらの商品に強く関心を持たれるお客様は多いです。これからのマーチャンダイジングには、環境面に関する意識はとても大切だと思います。